真夜中、暗い部屋。

ひとつの布団の中、ふたりきり。


ぴったりとくっついて。

動けないくらいに抱きしめられて。


これって、この状況って。

たぶん、とても、いや、確実に、やばい感じなんじゃないだろうか。



「ちょっと朗!!」


自由になった片腕を動かして、しがみ付く朗の肩をぐいっと押した。

思いのほかゆるりと簡単に離れて、わたしの首元に埋もれていた朗の表情が、暗闇の中、微かに浮かぶ。


「なにしてんの! 早く……」


離れてよ。

そう言いかけて、でも、口をつぐんだ。


「……夏海、……」


朗の体が、震えていることに気付いたからだ。