わたしは朗とふたり、並んで外のベンチに座った。

日が暮れかけているからか、蝉の声は遠くでわずかに鳴るばかりだ。


「じゃあ開けるからな」

「うん」


相変わらず嬉しそうに笑ったままの朗がパッケージを開ければ、中から棒がささった水色のアイスが顔を出した。

ただしそのアイスには、棒が2本ささっている。

2本の棒の間、縦長のアイスのちょうど真ん中あたりには、窪ませた線が入っていた。


「ここを割って、食べるらしいぞ」


朗はそう言って、線のところでパキンとアイスをふたつに割った。

そして、その片方をわたしに向ける。


「これは、夏海の分だ」