“あの子の人生は、決していいものではなかった。

だけどきっと、あの子は、幸せに最期を迎えられたと、私は思っている。

それはすべて、きみのおかげです。

ありがとう、夏海さん”



無機質な白い便箋に書かれた、達筆な文字。

それを読んだときだけ、わたしは大声で泣いた。


今だけだから、許してよね。


そう、今はいない彼に、心の中で語りかけて。




わたしと朗が過ごしたのは、たった3日間のことだった。

だけど、そのたった一瞬の出来事は、きっと、わたしたちの中で、永遠に続いていくんだと思う。