───長かった夏休みも明け、残暑が続きつつも、秋が見え隠れし始めた季節。


わたしは少し涼しくなった風を浴びながら、あの日、朗と出会った屋上へ来ていた。


秋晴れの空は、驚くほどに透き通っている。

だけどその青さは、やっぱりあの時と変わらなくて。


胸のあたりが苦しくなるから、わたしはぎゅっと目を瞑った。




朗の死は、朗の父親からの手紙で知った。


死ぬ前の3日間はほとんど意識もなくて、生きているかもわからないくらいだったけれど。

死の瞬間だけ、彼はそっと微笑んだのだと、その手紙には書かれていた。