「愛してくれるって言ったじゃん。わたしの生きる理由になるって言ったじゃん」


何気ないきみの一言が、わたしには本当に大切で。

すべてを投げ出してしまったわたしの中に、強引に入ってきたきみが、本当に、わたしの生きる理由になってしまったんだ。


なのに───



「全部消えちゃうんでしょ? 何があっても絶対覚えてる、なんて、死んだら全部、忘れちゃうんでしょ」



なにもかもなくなってしまうんだ。

それが死ぬってことだから。



ねえ、わたしの中にだけ、ずっとこんな想いを残したまま。


きみだけ勝手に消えてしまうの?



そんなのずるいよ。

お願いだから消えないで。


それが無理なら、わたしからも全部、消してしまって。



出会わなきゃよかった、そんなことすら、思えないように───



「忘れないよ」