それはあまりにも予想していなかった答えで、わたしは声を発することすらできなかった。
だけど視線だけは、朗の父親というその男性に向け、今一度、まじまじと顔を見つめる。
……言われてみれば確かに、目元のあたりがそっくりだ。
色素の濃い瞳なんて特に似ている。
朗は、白い肌にその瞳が特に印象的だった。
目の前にいるこの人は、朗のような綺麗な肌をしていなけれど、それでも深い色の瞳は、やっぱり、惹きつけるような印象を与える。
本当にこの人が、朗の父親……
「どうぞ座ってください」
後藤さんが声を掛けると、朗の父親は再びソファに腰を下ろした。
わたしも促されるまま、向かいのソファに腰掛ける。
「では私はすぐそこにいますので。何かありましたら声を掛けてくださいね」
後藤さんが言い終わるのと同時に、パタンと小部屋の扉が閉まった。