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山はまだ続いていたけれど、少し民家が増えてきたと思ったら、あっという間に大きな道路に出た。
さっきまでは軽トラ1台だけだったのに、一体どこからやって来たのか、隣を何台もの車が走っていく。
田んぼばかりだった風景は、いつの間にやらファミリーレストランやコンビニが立ち並ぶ街並みに変わっていた。
都会、とは言い難いけれど、わたしたちが今通って来た場所と比べれば、遥かに栄えた街だ。
信号待ちで止まっている合間に、おばあさんがくれたお茶をごくりと飲んだ。
すっかり温くなってしまっているけれど、何もないよりは随分ましだった。
それに、ここまで来られた、そう考えるだけで疲れているのも忘れられる。
だって、この街を抜ければとうとう、わたしたちが目指してきた、海に出る。
あと、少し───