───朗とふたり、突然の誘いから始まったこの無謀な旅も。
きっといずれは終わりを迎える。
朗が何のために海を目指すのか、何のための旅なのか、それはわからないけれど。
わたしが海を目指す理由はただひとつ。
朗が、行きたいと言うからだ。
それ以外に目的はない。
海に着けば、それで終わり。
すべてが終わったとき、朗がどうするのか、それもやっぱりわからないけど。
わたしは、自分がどうしたらいいのかも、わからないまま。
この旅が終わったとき、わたしは、一体、どうしたらいいのだろう。
死ぬつもりだった。
あの瞬間に、わたしはすべてを終わらせるつもりだった。
あの瞬間、あの場所で、朗に出会わなければ。
わたしは死んでいた。
死んでいた、はずなのに。
こうして今、生きて、目的を持って進んでいる。
何かに向かって、生きて。
だけど。
それがなくなったとき、わたしは───