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真っ暗だった瞼の裏に、微かな光が射した。
そして小さな足音と、長閑な声が耳に届く。
「あらまあ、仲良しね」
その声と、全身を包み込む生温い感覚に瞼を開ければ、途端飛び込んできたのは、目の前の整った顔。
「わあ!!」
驚いてがばっと起き上がると、ふすまの横に立っているおばあさんが楽しげに笑っているのに気付く。
「ふふ、お布団はひとつでよかったみたいね」
「え、ちょ、ちが……」
「朝ごはんはもうすぐだからねー」
否定しようと振りかけた手は、だけどむなしく空振るだけ。
わたしの言葉を聞く気すらなく、おばあさんはあっという間に部屋から出て行ってしまった。
ぽつんと開いたふすまの隙間、それを見つめたままごしごしと髪を掻く。
そして、まだ隣から聞こえる寝息に向けて、そっと視線を落とした。
「……朗?」
微かに睫毛が震え、ゆっくりと瞼が開く。