静かで、穏やかなそれとは裏腹に。
ドクンと重たい音を立て、鈍い鼓動を繰り返す、わたしの心臓。
『死のうとしてた?』
───やっぱり気付かれていたんだ。
わたしがここで、自殺しようとしていること。
いや、気付かないわけがないか。
だってこんな状況、飛び降りる以外、他になにをするっていうんだ。
「あ、図星」
少年は短く呟いてくつくつと笑う。
わたしはその綺麗な表情を、身動き一つ取れずに見つめていた。
こくりと唾を飲み込む音が、妙に大きく響いた。
喉がからからに乾いている。
額からは、さっき拭ったはずの汗が、再び流れ出していた。