ホントに、狡いよ。

それを今日、今、言うなんて。

そっぽを向いたまま、聞こえないふりをしながら、じわりと熱くなる目を一生懸命乾かすように、間違っても零れないように上を見た。


「何を話してても楽しそうで、一緒にいて楽しかった」

そんな風に思ってくれていたのに、私はそんな風に思わない様にしてたなんて…





「お前の笑った顔、好きだったんだよ」




ワザと何じゃないの?
泣かせようとしてるとしか思えない。


「もう…」


傘を持ったまま、顔を隠すふりをして、涙を隠した。