「うらら帰ってこないのー?」

チイからヒロと付き合ったと報告の電話がきた。


「夏休みには帰るよ」

あたしが言うと、「そうじゃなくてさ」と不機嫌な声が返ってきた。

「学校辞めちゃえばいいじゃん。ヒロも学校辞めたんだよ」

「は?ヒロ学校辞めたって?」

ビックリして聞き返す。

「うん。辞めちゃったの、でもそれでもカッコイイよねー」


チイののん気な言葉とは対照的にあたしはイラっとした。

(学校辞めただぁ!?)

チイがヒロとのラブラブな話をしようとしてるのをあたしは制した。


「あのね、あたしちょっとヒロと大事なお話があるんだよね?だから・・・ヒロに即電話してくるように言え!!」

あたしの剣幕にチイはあっけにとられて「わかった」と慌てて電話を切った。



少し時間が経ってから

「何だよ、お前がすげー怒ってるってチイから電話きたんだけど」

と、ヒロが面倒そうに電話してきた。

「ヒロさん、あたしに何か言うことない?」

あたしは優しい声で言った。

「何か?チイと付き合ってます。コレ、チイから聞いたんじゃねぇの?」

「違うでしょ!!学校辞めたって何なの!!バカじゃないの?何してんの、あんた!!」

あたしの怒鳴り声に一瞬シーンとなった。

「聞いてるの?何で辞めるの?学校とか友達は大事なんじゃなかった?あんたが言ったんでしょうが!」

「成り行きで辞める事になったんだからしょうがねーだろ」

ヒロもちょっと不機嫌な声になる。

このパターンはあたしとヒロが大喧嘩する予兆だ。