新学期、マジメちゃんクラスに馴染めるか不安だったけど、それは懸念に終わった。
それなりに、クラスに友達が出来て、あたしは比較的クラスでは目立つグループに属した。

でも、親友とは程遠い「クラスの友達」って存在だったけど。

前のクラスには幼稚園からの幼馴染の「ユキ」がいて、あたしの親友はユキだったから休み時間は、クラスの友達と過ごすのが半分、ユキのクラスに顔を出すのが半分。ユキのクラスには小学校からの友達がたくさんいたから、羨ましい気持ちが強かった。

このマジメちゃんクラス、７組での唯一の嬉しい事は、１年の時から結構憧れてたバスケ部の男子がいる事。

面倒な委員会は、前のクラスはくじ引きで決めていたけど、７組は立候補や推薦制度だったから、バスケ部の彼がなった委員に思い切って立候補した。

「うららさん、仲良くしようね」
なんて彼に言われて嬉しくてユキに報告に言ったくらいだ。

ユキは呆れながら「面倒くさそー、まぁ、良かったんじゃない？」と言った。

あたしはバレーボール部に所属していて、体育館の使用はバスケ部と交代制。

体育館が使えない日は、何かと理由をつけて体育館を覗きに行った。

バレー部の先輩はすっごく厳しくて、制服のスカートが短いだとか、髪の毛が長いと切りなさいだとか、挨拶には特に厳しくて、ちゃんと出来ない部員は呼び出しされたりする。
あたしも１年の頃に３年生の先輩に呼ばれて、次の日から怖くてしばらく部活に行けなかったくらいだ。

でも、兄妹の七光りというか、あたしには３コ上の兄「サクヤ」がいて、何故かわからないけど、サクヤはモテモテだったみたいで、先輩の中に何人かサクヤに憧れてた人がいた。だから、サクヤ効果のお陰もあって、そこまでヒドイ嫌がらせは受けた事はない。

あたしは知らなかったけど、サクヤはヤンキーとかと仲が良かったけど、典型的なチャラ男だったらしい。そんなサクヤに話しかけられると、みんなキャーキャー騒いでた、と先輩が言っていた。

家にいるサクヤはボケっとしてる感じだから全然ピンとこない。

あたしは「サクヤ先輩の妹」という目で見られていたから、七光りの恩恵は十分受けていたから助かっていたんだと思う。

だから、こっそり部員の友達と体育館を覗いても怒られる事はなかった。