「どうで・・・しょうか・・・?」


数日後、あたしとりっちゃんは恐れながら、壁新聞の係の美術の天才くんに記事を見せていた。

あれから、あたしとりっちゃんは2人で毎日アレコレ新聞の内容を考えて、図書室で調べたりとかなり頑張った方だと思う。


最初はあたしもりっちゃんもお互い気まずかったけど、調べ物をしてるうちに前と同じように仲良くなった。


「ふーん」

天才くんは記事を一通り見て、「いいんじゃない?」と言った。
あたし達は「よかったー」と安心した。


「2人共、結構ヒマなんでしょ?」

天才くんに言われて「え?」とキョトンとなる。


天才くんは模造紙を広げて、ペンでコンコンと叩いた。


「多分、勘違いしてると思うけど、現実的にオレ1人で出来るわけないだろ?それに卒業制作もあるし。・・・うららさん、あんた字がキレイだから文章の清書。りっちゃんさんはデザインの塗りつぶしね。」

2人で天才くんを見た。あたし達はすっかり自分の仕事は終わったと思っていたから唖然としてしまう。


「これ、ウチのクラスの壁新聞だから。オレのじゃないし。下書きしたら教えるからちゃんと放課後残って書いてよ」


何だか気圧されてしまって「はい!」と2人で返事をした。



あたし達がかつていたグループの子達はそんなあたし達を見て、

「あー、マジむかつくよね。あの2人」とか、

「イジメられっこ同士でお似合いだよねー」と嫌味を散々言っているけど、あたしもりっちゃんも一切聞こえないフリをした。



あの人達はヒロがいう「アホな人達」。
あたしはそんなアホには便乗しないし、相手にもしない。そう決めていた。



「塗りつぶしと清書って・・・」

りっちゃんがため息をついた。

「コレ、かなり大変じゃない?」

あたしもつられてため息をつく。