ユキが帰って、あたしも自分の荷物を整理した。


あたしはあたしを待っている大事な人の所に帰ろう。



『大事な人を紹介してもらえると嬉しいな。親友として』



ヒロが言ってた事を思い出した。


帰って、彼にヒロの事いっぱい話して今度は彼とお墓参りにこようかな?


『この人があたしの大事な人だよ』


ヒロ、喜んでくれるかな?





「さて・・・」


あたしは寝ているモリの耳を引っ張った。


「いで!!」

モリはビックリして飛び起きる。


「あたしもう帰るよ!いつまで寝てるの!」


耳元で大声で言ってやった。


「うるせー・・・。耳痛ぇよ」


耳をさすりながらモリはしかめっ面をした。


まだ、半分寝ぼけているモリに「送らなくていいよ」と言ってあたしは靴を履いた。


「よいしょ・・・」


荷物を持って改めて、モリを見た。


モリは「ん?」と言った。


モリに色々言いたかったけど、この一言でいいかな?


そう思って、あたしはニッコリ笑った。