あたしが帰る前日の夜。


ユキが中学が一緒だった友達を連れてきてくれると連絡がきた。


あたしは何だか気持ちも少しスッキリした気分でユキ達がくるのを待っていた。


待ってる間、モリはギターを弾いていて、あたしは先に2人で乾杯したビールを飲んでいる。


「うらら」

モリに呼ばれて「ん?」と返事をした。


「お墓でヒロと何話した?」


「教えない」

笑いながら答えた。


「オレはヒロの代わりにはなれないけどさ、もう少し荷物おろして生きれば?」


「どういう意味?」


「そのまんまの意味。何かヒロの事以外にも辛い事あるんじゃないのか?または、ヒロが死んだ事から連鎖して辛い事が起こり続けた。違う?」


あたしが何も言わないでいると、モリはギターを弾くのをやめた。


「お前、水商売してただろ?」


モリはあたしの目の前に座った。


「何、言って…」


「いや、別にいいんだよ。してたって。ライブ明けに飲んだ時グラス拭いたりしててわかっちゃった」


あぁ、アレ、無意識にやっちゃったからな…