「あったー!!うらら、ココ、早く!!」

モリの声にあたしはその場所まで走った。

ヒロのお墓はちょっと小高くなっている場所で桜の木の下にあった。

お墓に着くと、あたしとモリは爆笑した。


「探したぞ、ヒロー」

モリはお墓をポンポンと叩いた。

あたしはヒロのために買ったビールとセブンスターを出した。

「あ!お花買うの忘れた」

「いいんじゃね?ヒロが花欲しがるタイプかよ」

あたしの言葉にモリは笑った。

お線香を焚いてあたし達はしばらくお墓を見つめていた。


「じゃ、うららから先にどうぞ。ヒロと話すの久しぶりだろ?」

そう言ってモリはあたしから離れていった。


意外と冷静にあたしはヒロと向き合えた。
その場にうずくまってワンワン泣いてしまうかもしれない、そう思っていたけどあたしは静かにヒロに手を合わせた。


ヒロ・・・、ずーっとこれなくてごめんね。
(てめー、何年経ってんだよ。ふざけんなよ!)
ヒロの声が聞こえる気がする。
あたしね、ヒロの死を理解したくなかったんだ。怖かった。

涙がポロポロ出てきた。でもそれは悲しい涙ではなかった。

あんたがモリと再会させてここへ来るようにしたんでしょ?
いつまでも心の奥に引っ込めたままにして、逃げないように、前を向いて歩けるようにしてくれたんでしょ?

あたしはヒロのお墓を改めて見た。

ヒロ・・・、たくさんたくさん、ありがとう。
やっぱりヒロはあたしの親友だよ。
あたし間違ってばっかりだけど、ギリギリで助けてくれる。
あたしを正しい方へ導いてくれてるもんね。

「ありがとね・・・」

あたしは言葉に出して言った。