あたしは夜の仕事をしている事を誰にも言ってない。
「こんばんは。メイです」
名刺を出しながら、満面の笑み。
こんな姿、親友のチカにも当然サトにだって見られたくない。
夜の世界で働いてから、あたしの性格は随分変わったと思う。
「単純」ってサトが笑っていたあの頃のあたしではないと思う。
オジサン相手に面白くもないのに笑って、新しく入ってきた新人を注意したり、お酒を飲んだらすぐ酔っ払ってたのに、すっかり強くなってしまった。
昼間はパソコンと向き合ってアクビをかみ殺してのOL生活。
OLの給料も悪いわけではないけど、そのお金じゃ彼氏の借金は全然消えない。
夜の仕事の1ヶ月に稼ぐ何十万というお金はプライドも何もない彼氏へほとんど消えていく。
「うらら、ごめんな」
と言いながらお金を受け取るこの男にあたしはどうしてしがみついているんだろう?
何だか、あたしは自分が段々汚れていくのがわかって、意味がないのはわかっているけど、異常なくらいに手を何度も洗うようになった。
そんな事をしてもあたしはどんどん腐食していく・・・。
「うららは普通に生きるんだよ」
ヒロが遠い昔に言ってたあたしは、もういないのかもしれない。
あたしが店に出勤した時にはもう開店前のミーティングが終わっていた。
毎日のように入ってくる新人。
今日は1人だけみたいだった。
「メイさん」
声を掛けられて振り向くと、黒服が新人と並んで立っていた。
「この子、今日からの新人で・・・」
黒服の言葉にあたしはその新人をたいして見もしないで「ふーん」と言った。
それでも、2人でボサっと立っているからあたしは不思議に思った。
「だから何?」
あたしが眉間に皺を寄せると、新人が「うららでしょ?」と言った。
「はい?」
あたしは改めてその新人を見た。
「こんばんは。メイです」
名刺を出しながら、満面の笑み。
こんな姿、親友のチカにも当然サトにだって見られたくない。
夜の世界で働いてから、あたしの性格は随分変わったと思う。
「単純」ってサトが笑っていたあの頃のあたしではないと思う。
オジサン相手に面白くもないのに笑って、新しく入ってきた新人を注意したり、お酒を飲んだらすぐ酔っ払ってたのに、すっかり強くなってしまった。
昼間はパソコンと向き合ってアクビをかみ殺してのOL生活。
OLの給料も悪いわけではないけど、そのお金じゃ彼氏の借金は全然消えない。
夜の仕事の1ヶ月に稼ぐ何十万というお金はプライドも何もない彼氏へほとんど消えていく。
「うらら、ごめんな」
と言いながらお金を受け取るこの男にあたしはどうしてしがみついているんだろう?
何だか、あたしは自分が段々汚れていくのがわかって、意味がないのはわかっているけど、異常なくらいに手を何度も洗うようになった。
そんな事をしてもあたしはどんどん腐食していく・・・。
「うららは普通に生きるんだよ」
ヒロが遠い昔に言ってたあたしは、もういないのかもしれない。
あたしが店に出勤した時にはもう開店前のミーティングが終わっていた。
毎日のように入ってくる新人。
今日は1人だけみたいだった。
「メイさん」
声を掛けられて振り向くと、黒服が新人と並んで立っていた。
「この子、今日からの新人で・・・」
黒服の言葉にあたしはその新人をたいして見もしないで「ふーん」と言った。
それでも、2人でボサっと立っているからあたしは不思議に思った。
「だから何?」
あたしが眉間に皺を寄せると、新人が「うららでしょ?」と言った。
「はい?」
あたしは改めてその新人を見た。