小浜は静かに深くうなずくと、
「ただの・・・そう、ただの友達ですよ。たまに電車で一緒になったり、お茶する程度の仲です」
と静かに、そしてゆっくりと言った。

 
 あれ?なんか話がおかしいぞ。
 じゃあ、涼子はなんで「分からない」と言ったのだろう?
 ただの友達だったら「違う」と言えばすむことだったのに・・・。

 小浜は、そんな私の様子に気づいたのか、
「あの、何かあったのかな?涼子に・・・」
とおそるおそる尋ねてきた。

「それ」

「え?」

「今、涼子さんのこと呼び捨てにしたでしょ?初めて会った時もそうだった。呼び捨てにするのに、付き合ってないの?」
もうすっかり敬語を使うのはやめてしまった。

 小浜は、「そうなんだよね」とうなずくと、
「確かにおかしいよね。でも、これって涼子からの提案なんだよね」
と言った。