家に帰ると誰もいなかった。もうすぐ２時だ。
　冷蔵庫から適当な物をつまむと、私はそのまま自分の部屋にこもった。

　たいてい昼寝をして夕食までの時間を過ごすのだが、今日はそんな気分じゃなかった。

　絨毯に座り、ぼんやりと考える。

　いったい、涼子はどこへ行ってしまったのだろうか？優斗からはじめ聞いた時は、あの小浜っていう彼氏が原因かとも考えたが、冷静に考えると「はたしてそうだろうか？」と疑問がわいてくる。

　涼子の言う「分からない」の意味が、「小浜が恋人なのか分からなくて悩んでいる」という性質のものだったとしても、それだけで家出するとは思えない。実際、涼子が家出をした次の日に小浜に会ったが、何か起こったようには見えなかった。

「アネキの悩んでいることが分かるから」

　そう、優斗は言った。ということは、優斗にも関係していることなのだろうか？

　
「一体、どうしちゃったんだろう」

　携帯を取り出ししばらく悩んだ後、涼子にメールをうってみることにした。