我が家は夫婦共働きであり、姉がパートになり家事をやるまでの間はたいてい夜9時すぎくらいが夕食の時間だった。そう考えると、恵美にも感謝である。
しかし、いつも母親を手伝って料理をしていた私と違い、部活に明け暮れていた恵美は料理をしたことがなかったので、毎回その味にはびっくりさせられるが・・・。
「ねぇ、カナ」
リビングへ向かおうとした私を、恵美が呼び止める。
「なぁに?」
振り向いた私に恵美は同じくシンクにためてあった枝豆の皮を見せて言った。
「枝豆の皮は入れないよね?」
「・・・いや、入れないし。それに皮じゃなくて房ね。っていうか、そもそもお鍋に枝豆って入れないでしょ」
「へぇー、そうなんだ。 なんとなく入ってたような気がしてたんだけどなぁ。じゃ、これどうしよっか。全部皮・・じゃなくて房むいちゃった」
恵美の目線の先を見ると、たしかに枝豆の中身が小さなボールいっぱいに入っている。
「ありゃりゃ。ゆでたの、これ?」
台所に戻り、ボールの中をのぞきこみながら尋ねると、恵美はにこやかに
「うん」
と微笑んだ。
そんなにこやかに言われても、と思ったが、
「じゃあさ、このまま入れちゃえばいいじゃん。お箸で取りにくいけど、変わってていいかも」
と、めんどくさくなって私は言った。
しかし、いつも母親を手伝って料理をしていた私と違い、部活に明け暮れていた恵美は料理をしたことがなかったので、毎回その味にはびっくりさせられるが・・・。
「ねぇ、カナ」
リビングへ向かおうとした私を、恵美が呼び止める。
「なぁに?」
振り向いた私に恵美は同じくシンクにためてあった枝豆の皮を見せて言った。
「枝豆の皮は入れないよね?」
「・・・いや、入れないし。それに皮じゃなくて房ね。っていうか、そもそもお鍋に枝豆って入れないでしょ」
「へぇー、そうなんだ。 なんとなく入ってたような気がしてたんだけどなぁ。じゃ、これどうしよっか。全部皮・・じゃなくて房むいちゃった」
恵美の目線の先を見ると、たしかに枝豆の中身が小さなボールいっぱいに入っている。
「ありゃりゃ。ゆでたの、これ?」
台所に戻り、ボールの中をのぞきこみながら尋ねると、恵美はにこやかに
「うん」
と微笑んだ。
そんなにこやかに言われても、と思ったが、
「じゃあさ、このまま入れちゃえばいいじゃん。お箸で取りにくいけど、変わってていいかも」
と、めんどくさくなって私は言った。