始業式の帰りは早い。

 駅についた私は、改札口を抜けて昼間の町へ歩き出す。

「カナちゃん~」
 声のしたほうを振り返ると、涼子と小浜がならんで立っていた。

「うわ、すごい偶然」
 駆け寄ってふたりを交互に見て笑う。涼子たち高校生は明日から始業式、小浜はまだまだ冬休みらしいので、今日はデートなのだろう。

「へへ、違うの」
 何かをたくらんだ顔で、涼子と小浜は笑いあってる。

「へ?」

「まちぶせしてたの。そろそろ帰ってくるかなーって」

「げ、それってこわい」
 おどけて言うと、
「だってさ、昨日のFM、あれカナちゃんでしょ」
 とズバリと涼子が言ってくる。

「やっぱばれたか」

「分かるって、レッドブルーだっけ?それって最近話したばっかじゃん」