合流した私たちは、荷物がベルトコンベヤーで流れてくるのを待ち、JRの乗り場へ向かう。ここからは札幌駅まで電車で移動らしい。

「いやぁ、何度行ってもカナちゃん寝てたね」
 ホームで横になったときに小浜が笑いかけた。

「うん。なんか寝ちゃったんだよね」

「ほんとだよ、みんな交代で見に行ったけど寝顔しか見れなかった」
 菜穂も私に向き直りニコニコしている。優斗と隣の席でうれしかったのだろう、少しテンションも高いようだ。

「菜穂がうるせーから俺はちっとも眠れなかった」

「なによ!飛行機怖がってたくせに」

「こわくなんかねーよ」

 そう言いながらもみんななんだか楽しそうだ。
 
 到着した電車に乗り込み、席に腰を落ち着けると、小浜が地図を出して話し出す。

「さて、今日の予定ですが・・・」

「アネキ探しにいくんだろ?」

「いえ、今回のツアーでは強制的に市内観光に連れて行かれます」

「そんなのいいじゃん、ブッチしちまえばさ」