「なるほど」
優斗は大きく何度もうなずいて、
「それは俺の考えと同じだ。ぜひ、一緒に行こうよ」
と小浜を同志と認めたかのように手を伸ばして握手なんかしている。

「ちょっと待ってよ。優斗、あんた学校はどうすんの?」

「だって、もうすぐ冬休みだろ。そうなればいつでも探しにいけるじゃん」

「でも、涼子さんは探してほしくないかもしれないでしょ・・・?」

「はぁ?お前何言ってんの?」
優斗がすくっと立ち上がり私を指差した。

「お前はアネキがかわいそうじゃないのかよ。アネキはきっと今、孤独に泣いているんだぜ。冬休みが終われば戻ってくるとはいえ、少しでも元気にさせてあげたいって気持ちないのかよ」

 ・・・これではこの間のケンカの時とまるっきりセリフが逆ではないか!?

「・・・まぁ、そうだけどさ」

 すると小浜までが私を見て、
「カナちゃんも一緒に行こうよ。涼子さんだって、きっとカナちゃんが行けば喜んでくれて思いとどまるかもしれないよ」

 知らないうちに涼子は自殺しようとしていることになっているらしい。