すると優斗は、「はぁ?」と小ばかにしたように鼻をフンと鳴らしながら、
「そんなこと聞いてもしアネキにバレちゃったら、アネキまたどっか行っちまうかもしれないじゃん。えー、小浜さんって本当に大学生?」
とからかった。

「こら、優斗。あんたいい加減にしなさいよ」

「はぁい・・・」

 なんだか誰が大人で誰が子供なのか、この3人でいると分からなくなる。

「これでアネキの居場所が、おそらくながらも分かったわけだ。さて、これからどうする?」
優斗があぐらを組みなおして私たちの顔を交互に見る。

 どうするって言ったって・・・。

 私が黙っていると、小浜がまるで教室で先生に質問するかのように静かに手を挙げた。

「はい、小浜さん」

 同じように思えたのか、優斗も生徒を指すように言ってみせた。

「僕は、そのおばあさんの家に行ってみたい。で、話を聞いて、できれば一緒にここへ戻ってきたい」