しばらくして電話がつながったであろう、優斗が「俺だけどさ~」なんて言って話し出した。

 『オレオレ詐欺』と間違われなければいいのだが・・・。

 小浜と自然に目が合う。

 大丈夫、さっきまでの変な考えは影をひそめたようだ。なんで、小浜を意識したのかすら分からない。うん、大丈夫。

 私は肩をすくめてみせると、小浜も同じようにやってみせた。

 3分ほど相手と話した優斗は、意味ありげに私たちに笑って見せてから電話を切った。
良い結果が期待できそうだ。


「やったぜ」
携帯電話を折りたたみながら、優斗がVサインを作った。

「え?見つかったの?」

「まぁ、落ち着けって。俺さ、絶対アネキはばあちゃん家だって思ったわけよ」

「うん、それで?」

「で、ばあちゃんに聞いてやったんだ。『最近なんか変わったことないか?』ってさ」