優斗の部屋は2階の奥側、涼子の部屋はその手前だった。

 涼子の部屋に案内された私たちは、「いいのかな」と言いつつも部屋の中に入る。

 
 部屋は6畳くらいの広さで、机とベッド、そしてタンスがあるくらいのシンプルな部屋だった。薄いピンクの壁紙が涼子らしい。

「さ、探るか」
腕まくりでもしそうな勢いで優斗がはりきる。

「ちょっと待って」
思わず声をかけると、優斗がいぶかしげに振り返る。

「あのさ、勝手に涼子さんの部屋を捜索するのはやっぱマズイんじゃない?」

「はぁ?だって手がかりみつけなきゃ仕方ないじゃん」

「そうだけど・・・。でも女の子の部屋を勝手に見るのはさすがにねぇ・・・」

 すると、入り口付近でモジモジしていた小浜も、
「そうだよ。自分はムリ。もう少し涼子の行きそうなところをあたってみてからでも遅くないよ」
と、消え入りそうな声で言う。好きな人の部屋に入るのはさすがに恥ずかしいらしい。

「なんだよ。じゃ、いったん俺の部屋行こうぜ」