「いいなぁ。私も早く高校生になりたいっ。もっと大人な男子じゃなきゃ、恋もできやしない」
 私はふくれてみせた。

「カナちゃんっておもしろいねー」

 涼子は楽しそうに笑い声をあげた。

「大丈夫、カナちゃんには井上先生がいるじゃない」

「ちょっ・・・涼子さん!」

 あわてて周りを見わたす。幸い同じ学校の生徒はみあたらなかった。

「あ、ナイショだったね。ごめんごめん」

「もう~」

 涼子はくすくす笑いながら、参考書に目をとおしはじめた。