「会ってどうするの?」

「アネキさ、きっとその人のこと好きだと思うぜ。たまにその人の話するときうれしそうな顔してるしさ。でも恋人でもなんでもないなら、俺が見極めてやる。うちの家庭の事情を話して、それでも『好きだ』と言えるなら、安心してアネキをまかせられるもんな」

「なに、親みたいなこと言ってるの?」
さすがにこのセリフはまずいか、と言ってから気づいたが、そんなこと気にしたそぶりも見せず、
「アネキには幸せになってほしいんだ。家があんなだからこそ、特にそう思う。人を判断するのは俺、得意だからさ。もう決めた。会わせてくれ」
と優斗は勝手に話をすすめてしまっていた。


「でも・・・」
そう言う私の言葉をさえぎって、優斗は、
「はい、早く連絡とってくれよ。日曜日はあっという間に終わるぜ」
と、いたずらっ子のように私のズボンからぶら下がっているストラップを指差して笑った。