それでも8年ぶりに再会した夏海は、想像以上に綺麗になっていた。
どうしようもなく、苛立った。
"一度ぐらい、俺のことで傷付けばいい"
…本気でそんなことを言いたかったはずはない。
でも、幼い頃からほんの少しも汚れる様子を見せない彼女に苛立ったのも確かだった。
だから、もしかしたら俺の結婚に戸惑って飛んで来てくれたのかもしれない。
そんな淡い期待を、いっそ打ち破って欲しかった。
なのに。
……泣きそうな顔を、する。
そんな夏海に、気持ちを抑え切れなくなって。
無理やり抱き締めて、無理やりキスをしていた。