香奈の、くりくりとした可愛い瞳が輝いた。
「そっかぁ。碧兄ちゃんもイケメンだったけど、お姉ちゃんもすっごい綺麗だもんね。…お姉ちゃん、今は彼氏いなかったっけ?」
「いないよ。今は忙しいし」
「それにしても、1週間掛けて帰郷だなんて…お母さんも好きだよねぇ」
香奈は肩をすくめてみせた。
私もクスッと笑って、「そうだね」と言う。
「8年ぶり、だもんね」
8年前、私は中学2年生だった。
そして碧は、中学3年生。
対して香奈は小学校の高学年になったばかりのはずだ。
子供にとっての8年は早い。
あっという間に、いろんなことが変わってしまう。
変わって欲しいものも
変わって欲しくないものも。