しばらくしてからそっと上を向くと、碧はちょっと困った瞳をして静かに笑っていた。


私を責めることも、何もしなかった。



『そっか…そうだよな』




そのままいつまでも海を見つめていた。


時間を忘れるぐらい、けれども何をする訳でもなく。




―――そして私達が一緒に過ごした夏は、あの日が最後になった。