私が触れるたび、私が笑うたび、眩しそうな目を向けてくれる。 たまにどきっとした表情を見せてくれる。 私だけしか見ることの出来ない、碧の戸惑った表情。 ずっとそれを特別なものとして大事にしてきた。 だけど中学2年ぐらいから一気に背も伸びだして、一気に男の子らしくなってきた彼に…今度は私が戸惑った。 違うでしょ。 私が碧にドキドキするのは、違う。 なんでそんなに「男」の顔をするの。 碧は私の、優しいお兄ちゃんでしょ? 何度もそう思った。 成長していくことが、少し怖かった。