でも本当の気持ちを告げるには、遅過ぎただけなんだ。

不器用だっただけなんだ。




「…自己満で、結婚なんかしねぇよ」


言いたい放題言われた碧は、頬に手を当てながら私をもう一度振り向いた。


少し柔らかい色をした瞳だった。



「じゃあ…彼女のこと、好きなの?」

「好きというか…アイツなら、一緒に居てもいいかと思ったんだよな。妙に居心地がよくて」



アイツ。

その呼び方に、なんだか親しさを感じた。



またココロが静かに痛んだ。
もう受け入れなきゃならない、受け入れるしかないところまで来てるというのに。