私は掴まれた腕を擦りながら、咄嗟に碧の背中を追い掛けた。
背伸びをして、肩を掴んで振り向かせる。
あの頃みたいに。
「…この……大バカ碧っ!!」
右手で、頬を打った。
パシッと乾いた音がした。
「…ってぇ……」
「そんなくだらない理由で結婚なんかするんじゃない!」
私は叫んだ。
なんかどうしようもなく、泣きそうだった。
こんなんじゃないでしょ。
私が好きになったお兄ちゃんは、こんなんじゃない。
「自己満で結婚すんな!相手の気持ち、考えたことあるの!?」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…