なるほど、と頷く祐樹に、私は「あの」と口を挟んだ。



今しかない。と思った。

この人には言わなければ。とも思った。





「…祐樹は、碧の結婚式に出るよね?」


「もち。…あ、その話をしてなかったよな」



祐樹はちょっと苦笑して、私達のコップにお茶を継ぎ足してくれた。


なんだか少し気まずくなる雰囲気を取り繕ったようにも見えた。



そして一息ついてから、話し出す。




「…俺もびっくりしたんだよ。アイツは大学、俺は専門に進んだんだけどさ。大学でいつの間にか美人の彼女が出来たみたいで、しかもそれを俺にもずっと言ってなかったんだ」



彼女。

その言葉に、胸がちくんと痛んだ。




――どうして、想像してしまうんだろう。


想像したくないのに。