子供とはいえ、中学生になって、周りのクラスメート達も恋というものをし始めていた。 私には分かっていたんだと思う。 碧の「好き」と、私の「好き」は種類が違うということ。 …そして碧は、もっと、痛いぐらいに分かっていただろうと思う。 ―――ガタン…ッ 窓の淵に軽く頭をぶつけて、私は目を覚ました。 肩には少しの重み。 香奈が私に寄りかかって眠っている。 夜行バスはいよいよ、目的地に差し掛かっているようだ。 寝惚けた目を擦りながら、私はそっと窓の外を見た。