なんかアイツ、やたらこき使われてんな。 碧がそう笑って、私もクスクスと笑った。 「面倒見がいいから、つい」 「…じゃ。もう行く」 「うん」 私は背筋をぴんと伸ばして、手を振った。 最後ぐらいはしっかりとしていたい。 「夏海」 「うん?」 「幸せになって。誰よりも」 「うん」 不思議と、海にいた時よりも 別れという感じがしなかった。 私には、このクローバーがあるから大丈夫。 無意識のうちに手に力を込めていて、慌てて弛めた。