それだけを聞いておきたかった。

クローバーをそっと持ったまま、私は碧に聞いた。




一瞬の風が吹いた。


碧はまっすぐと私に目を向けて、何の迷いもなく答える。



「当たり前だろ」

「…だよね。良かった」

「それでも」



ふっと頬を弛めた私に、碧は続けて言葉を重ねた。


力強い、言葉だった。




「…夏海、会いに来てくれてありがとう」

「あお…」

「会えて良かった。…なんか気持ちに、整理がついたから」



碧が笑っているなら、
私は幸せ。


だから、自然と笑顔になった。



「うん。私も」