碧は立ち上がって、私ににこっと微笑んだ。


私の好きな、優しい笑い方。

きっともう最後になる。
だから焼き付けておく。




「俺の願い事は叶わなかったけど、夏海のは叶いますようにって。…願いながら探したやつだから、きっと大丈夫」


私は手元のクローバーを見つめた。
碧にそう言われれば確かに、なんでも叶うような気がした。



「…ありがとう」



"俺の願い事は叶わなかったけど"


ココロは痛むけど、私達にはそれぞれ待ってくれている人がいる。