帰りたい。
帰ろう。


私がいるべき場所へ。



「疲れたから、先に帰るね」


まさにそう言おうとした時だった。




…誰かにグッと腕を掴まれたのは。




「…え……」


お母さんの目がハートになったのを見れば、後ろにいるのが誰かはすぐに分かった。



「…ちょっと、来て」


純白のタキシードに身を包んでいて、
今日は世界一格好良く見える。