そう突っ込むと、香奈が小さな唇を尖らせた。


「何よ、お姉ちゃんだって同じ血が流れてるんだからね」

「…ちょっとそれ、どういう意味よ」

「まあまあ。…おっ、あれ見て!あれ」



くだらない言い合いに走りそうになった私達姉妹を宥めるためか、祐樹が運転しながら右の窓をちょいちょいと突いた。



「…ん?」


さすがに気になって、香奈と一緒に右の窓に頬をくっつける。


昨日来た、砂浜が綺麗な方の海。

波打ち際からほんの少し離れたところにぽつんと建てられた、砂の城があった。



「かわいー」


香奈が笑顔になる横で、私は知らず知らずのうちに「消されなかったんだ…」と呟いていた。

そういえば真似して作るの忘れてた、とも思った。