「え…っと。……絵?」
「絵」
「じゃあ、ガマンできへんっていうのは……」
「あぁ。お前見てたら本格的に描きたくなってきた」
「……」
何だよ、それ!
てっきり別の意味にとらえたっつーの、まぎらわしいっつーの!
「ん? どした?」
ニヤリとのぞきこんでくる那智の瞳は、明らかに確信犯。
「どうもしてません!」
「あっそ、まぁええわ。
とりあえずケガの消毒するから足出せ」
「いらないっ、今さら消毒なんか」
「ほな、前みたいに舐めてほしいんか?」
「はっ!?」
さらに赤くなったあたしに、那智は必死で笑いをこらえ、口元をヒクヒクさせる。
「へ……変態っ!」
こらえきれなくなったように、ブハッと吹き出す那智。