「あんた、何考えてんのよっ」



那智に支えられて保健室に来たあたしは、椅子に腰をおろすなり、ガミガミとまくしたてた。



「授業中だよ? なんでわざわざ目立つことすんの? あんたバカなの? ねぇ!?」



取り乱すあたしを無視して、那智はしれっとした様子で消毒液やらガーゼを用意していく。


先生がいない保健室。

普通なら授業を受けているこの時間に、那智とふたりきりでいるなんて、変すぎる。



「だいたいねぇ、人前であんなこと言うなんて――」


「あんなことって?」


「……えっ……」



ふいに那智が聞き返してきたので、あたしは言葉に詰まった。



「つまり、その……“触んな”とか、“俺のや”とか……」


「ホンマのこと言うて何が悪いねん」


「……」