だけど一度認めてしまえば、緊張の糸が切れたように、急に気持ちがゆるんだ。
「…うっ、…ふぇ…っ」
「は? 何やねんっ。泣くほど否定したいんか!?」
「ち、ちがう~……っ」
とうとう泣きだしたあたしに、那智は盛大なためを息をつく。
そして、くしゃっとあたしの髪を、左手で撫でて。
「お前みたいな変な女、
絶対、姉にしたくないわ」
そう言って、やわらかく笑ってくれたんだ。
……ねぇ
わかる? 那智。
あたしは那智となら
何だって
軽々と翔びこえられそうな
気がしていたんだよ。
このときは、本当に。
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