海の底に沈んだように静まり返った準備室。 高い窓から差し込む光が、那智の頬にまつげの影を落とす。 それは怖いくらいに キレイで……。 あぁ、あたし 那智が好きなんだ。 この感情を恋と呼ぶかはわからないけれど。 朝が来れば太陽を求めるように。 夜になれば月を見上げるように。 那智がそこにいる限り あたしの五感は 彼を追い続けるんだろう。