お父さんたちの事故のあと
おじさんは、あたしと那智を心配して、陰で見守ってくれていたらしい。
例の記者のこともすでに気づいていたらしく
「あんなバカバカしい記事は絶対に書かせないから、安心して」
と頼もしく言ってくれた。
「――那智の高校の学費や、もし藍さんが今後大学に行くなら、その費用も出させてくれないかな」
「でも、そんな……」
いくら那智の実の父親とはいえ、そこまでしてもらうのは気が引ける。
しかも那智の両親が離婚したのは、あたしのお父さんのせいなのに……。
あたしの戸惑いを読んだのか、おじさんは優しく首を振った。
「何も気にすることはないよ。
僕は昔、藍さんに助けてもらったことがあるんだから」
「え?」