「……でさ。俺、藍んちの押し入れを探ってるときに、ある物を見つけたんだ」
「ある物?」
斗馬くんは病室のすみに置いた大きな布の袋に、目配せした。
「中身は、あいつと一緒に見た方がいいと思う」
「……うん」
あたしは斗馬くんに支えられながら、那智の病室に向かった。
コンコン、とノックをすると、中から那智の返事が聞こえた。
一瞬、躊躇したあたしの代わりに、斗馬くんがドアノブをつかもうとする。
「大丈夫。自分で開けるから」
あたしは斗馬くんに断って、自分の手でゆっくりとドアを開いた。
……半月ぶりに会う那智。
ベッドで上半身を起こし、足はギプスで固定された姿に、胸が痛んだ。