目まいが意識を奪い、


白くかすんでいく視界――…



「……」



あおむけで倒れたあたしの顔を、雨が濡らした。



那智……。


ねぇ……わかる? 那智。


あたしたちは、どうしようもないふたりだったけど


それでも、未来は……












“――…藍っ”






薄れていく意識の中。


声を聞いた気がしたのは、気のせいだったのかな。



あの瞬間。


夜なのに、雨なのに


目の前に光が見えたんだ。