「フラれてから色々考えたんだ。

……俺、やっぱり藍が好きだ。


忘れたくて距離を置いたりしたんだけど……寝る前とかさ、お前の笑ってる顔が浮かんでくるんだよ。

泣いてる顔も知ってるから、もしまた藍が泣いてたら、俺が笑わせてやりたいって……」



「斗馬くん、ごめん」



遮るようにあやまっても、彼は強引に言葉を続けた。



「じゃあせめて、あいつ以外の男を選んでくれよ……！　だったら俺、あきらめるから」




……何、それ。


いくら反対しているからって、なんでそこまで？



眉をひそめたあたしに、斗馬くんは重々しく口を開く。



「藍……。俺が今から話すこと、しっかり聞いてほしい」


「え？」